私の職業は小売りに分類されます。
私自身は現在店頭に立ってはいませんが、小売り業態は常に
「顧客を逃がさないこと」
「新規客の獲得」
に力を入れています。

その為に安売りやポイント還元、企画など
客に喜んで貰えそうな販促(販売促進)を実施している訳です。

最近、私が勤める会社の現場(店頭)を見ていると、
この販促任せになっている感が強い。
つまりこの販促というものに頼りきりながら
「顧客化」と「新規客増加」をしようとしている傾向があります。

あくまで販促は「顧客化」「新規客獲得」の手段のうちの1つであって、最優先ではない。
最優先は
「品揃え(又はサービスの充実)」
「店員の接遇」
であると思います。

今までの私の経験での話になりますが、
経費を使ってできる販促というのはどこの企業でも「簡単」にできてしまうものであり、真似できるもの。
つまり金さえあれば達成可能というわけです。
金をより多く「使える(持っているではなく)」企業に有利に働くんです。

そうなると、中小企業は経費をかけている割に大きな成果を上げることができず、
経費分を回収できないか、もしくは薄利になります。

金はあくまで道具であり、たくさん使える企業が勝つことになっています。
一般的な企業は金を使う販促も必要であるが、「品揃え」「接遇」を重視しなければなりません。

安売りは麻薬のようなもの。
適切な価格が麻痺してしまう。
我が社ではこの状態に入っている社員が多い。

もはや私が「品揃え」「接遇」のことを話してもただの「理想論」で片づけられてしまうんですね。

幸いなことに会社自体が脱安売りに乗り出し、
品揃えの充実と好立地(かなりの費用がかかるが)の獲得で動き出しており、
収益が向上しています。

残念ながら、私のいる部署のベテラン社員はその方向には向いていない。
昔ながらの安売りで集客して利益を取っていく手法を守っている。
利益が取れなくなっている状況を何年も体験しているのに、変えられない。

私にも原因があります。
私には価格の決定権があり、集客の一環として安売りを実施してきたからです。
しかし、いつの間にか安売りがメインになってしまいました。
バランスが乱れてしまったんです。

これから必要な物を取り返さなくてはいけません。